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《 バンジョー製作 第3章 ネック 》

◆ ヒール、ボリュート部

  ネック材はメープル、ヒール部とボリュート部を加えて接着します。
     

◆ トラスロッド加工

トラスロッドの中心線はフレット線やポジションマークで使用するラインではなく、指板両端の中心位置をつないだラインです。
また、古いロッドの再利用なのでロッドの溝は両端が浅く、中央が深くなる溝を切削します。
  トリマーガイドにアールを施しネックに固定して削っていきます。
写真を拡大するとガイドの湾曲がよくわかるはずです。ガイドの中央部分をネック表面にネジで固定してあります。
 

ヒール側の処理、上にあるトラスロッドの形状に合わせてあります。

アールを施した溝がわかります。

 

ナット側の処理です。

こちら側がロッドを調整する六角ナットです。

  溝とトラスロッドです。
 

ねじ切りダイスで古いロッドを短く調整、終了後にナットを入れようとしてもピッチが合わないのか入りません。油を注しながら少しずつナット側のねじ山に手作業で無理やり合わせました。
事後JIS規格には新旧があり、ねじ山ピッチが異なることが判明。新規格のねじ山に旧規格のナットを入れ込んだ次第・・・
しかし旧規格工業製品のメンテナンスはどうなっているのだろうか?60年代の車のねじは全て旧規格ということか?

  ロッドを埋めた後、ふたとなる埋め木です。アールがあるのがわかります。
 

ロッド溝にはボンドを流し込むのでロッドが溝の中で固まらないようロッドをストローでカバーします。

こうすればロッドは溝の中で動いてくれます。

  ロッドを埋め、ボンドを流し込み、埋め木でふたをし、クランプで固定しています。
  ヒール側、埋め木が飛び出しています。
  こちらはナット側です。
  飛び出した埋め木を平らにしました。
  ナット側も同様です。
     

◆ 側面カット、ペグヘッドの接ぎ継ぎ

  ネックの加工作業の軽減のためヒール部をカットします。
  5フレットから先の細くなる部分をカットします。
  ペグヘッドの接ぎ継ぎのクランプ固定です。
  接着後、表面を加工します。
 

この段階でトラスロッドを右に回しネックをわずかな逆反りにします。

これによりネック内部のトラスロッドはテンションが与えられることになります。

またこの逆反りはスケールを当てることで確認できますが、指板接着の前にもう一度平面出しすることを忘れないで下さい。

     

◆ ネックの粗加工

 

ネック裏側の粗加工です。

ネックが大きいので専用の台に固定します。

     

◆ ペグヘッドの整形

 

ペグヘッドテンプレートに従って加工します。バンジョーのヘッドは曲線が多いので面倒です。

ヘッドの側面もギターと異なり指板面に対し何故か直角に処理します。
なおペグヘッド形状はVEGAのコピーですが「CAM Tuner」を取り付けるため中央部分を幅広にしてあります。

  ペグヘッド裏側です。