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《 プレクトラム バンジョー / 仮組立の準備等 》 

◆ 指板をネックに接合

 

左の写真はいつも坊主釘、接着時のズレ防止です。

指板の両端は金属クランプでしっかり固定、他の部分はカムクランプを使用。

 
 

◆ ナットを作る

 

象牙をベルトサンダーで粗加工、サンディングで厚み5ミリに整形します。 33㎜の長さでカット、高さやスロット加工は組み立て後の作業です。
下の写真→先日購入したゼリー状のアロン、液状アロンとは異なり液ダレなど全くなし、新製品?2か所のみのスポット接着です。

 

◆ ペグヘッド整形と仮組

  相当激しいクランピングですが、今回の作業ではクランピングで細かなミス発生。念には念を入れた作業です。
 

しっかりと接着、まず外周の整形作業。ベルトサンダーで粗カット、あとは手作業です。

下の写真はトラスロッドの窓のくり抜き、繰り小刀で開口部を徐々に拡大、そして8㎜円柱に#100を巻き付けて研磨。

 

 
 

ペグヘッドの厚み調整、14㎜を目標にサンディング、写真では14.5㎜となっていますがOKとします。ペグヘッドは結果としてマホガニー材2層構造ですがクランピング事由で接着剤(黒の線状)が・・・・機能上はOKですが残念。
ヘッド表面に傷がついてしまったので改めてポリッシュ。あとはペグ穴の調整作業が残っています。オリジナルのペグ穴位置が表側インレイとバランスが合わなければ穴を一旦埋めなくてはなりません。

 

◆ リムとネックの接合チェックと調整

  ネックとリムの接合は「コーディネーション・ロッド」と呼ばれる2本のロッドで連結します。
ネック側にはボルト穴を2つ、リム側にもロッドを通す穴を前後4ヵ所に空けていきます。
  ネックヒール形状をリム(アーチ)に合わせてカット、研磨します。段差があるのはリム側テンデョンフープの出っ張りを収めるためです。
リムと接する部分ですから極めて精度の高い作業が求められます。
連結ロッドの2つのボルト穴とボルトをねじ込んだ写真です。専用工具?がないためボルトに傷がついてしまいました。
 
  リム(後ろ側)の穴あけ(8㎜径)作業、ネック側の穴は6㎜径です。

◆ 仮組み立て

 

連結ロッドでネックとリムを軽く固定し、ネックとリムの角度をチェックします。
OKです。
左下の写真→ 通常は必要のないナットですがリムの厚みがないためナットを入れることでロッドの長さを補完します(ナットを入れないとロッドが後ろのリムに届かない)

 
  リムの後ろ側、先ほどのナットを入れないとロッドがリムから出てきません。
この金具はテールピースを固定するもの、テールピースブラケットといいます。
  今度はヘッドとテンションフープを取り付けて全体をチェックします。
 

指板面とヘッド面が同じ平面であること、OKです。

左下→ テンションフープはきちんと収まっています。しかしクランピングミスは残念・・・・

下→ 反対側もOKです。

 
  全体の写真。

◆ チューニングペグの仮セット

 

セットするペグのブッシュ径は8.8㎜、既存のペグ穴は9㎜なので、現在のペグ穴を一旦埋めなくてはなりません。

埋め終わったら、改めてペグ穴の位置を決めます。使用するテンプレートはVEGAモデル(ホワイトレディ)からコピーしたもの。

 
 

8㎜径のペグ穴を空けてから、ブッシュが収まるようにリーマーで8.8㎜に拡張します。
最後の2枚はペグをセットしビス止めをした写真です。前と後ろのペグ間距離を2~3㎜縮めるべきでしたがOKとします。

注)ペグ穴をヘッド面に対して直角に空けるには「ボール盤」を使用するのが正しい対処です。

 
 
 

大失敗(2回目)!!

広角レンズなので正確なイメージ図ではありませんがロッドカバーの中心線とペグヘッド中心線がずれています。カバーとペグ位置との距離を見ると一目。(ネック貫通に匹敵するショック!)

 

その原因は、ペグヘッド形状が左右対称ではなかったこと。加えてペグ穴もヘッド面に対して垂直ではなかった可能性もあります。
プレクトラムのテンプレートを急きょ作成し、ペグヘッド形状をチェック。コーナー部分の著しいズレを確認。
さて、どうにかしなくてはなりません。
作り直しという最悪ケースも頭に浮かびますが、まずはリペアに挑戦します。

  写真左) ペグヘッド裏側から9㎜径ダボ(マホガニー)で埋める。計10個の穴が・・・

写真左下) 表側のエボニー突き板(3㎜)部分を残します。

写真下) 直径9㎜のダボをエボニーで作り、ペグ穴に打ち込みます。
 
 

写真左) 2つ目のペグ穴、白濁ダストは硬化した液体アロン。

写真左下) ダボの飛び出た部分をカンナでカット。右上のペグ穴はドリルでエボニーが割れてしまいました。

写真下) エポキシとの黒檀パテを塗り込みます。

 
  写真では一見良さそうに見えます。OKレベルとも言えますが、もう一度パテ塗りをやってみます。

◆ ペグヘッドの整形と化粧直し

 

(写真左) コーナー部分がテンプレートより2~3㎜ほど内側にある。ヘッドの膨らみ部分は両サイド共OKです。
(写真左下) 逆に反対側コーナーはテンプレートをはみ出している。
(写真下) 下側形状の紙製テンプレートを上側にくるりと回転させると、写真のように2㎜前後のずれが確認できます。この部分をカットすることで左右対称の形状となります。

 
 

このクランピング、わかりますか?
そう、ひどい惨状のヘッド裏側のお化粧です。ペグヘッドの厚みを14㎜から12㎜に加工し、厚さ2㎜のマホガニ板を張り付けます。

(写真下)何事もなかったような裏側になりました。横から見ると突き板を入れ「4層」に・・・

 

◆ ペグ穴の位置について

  最初に「ロッドカバー」の位置確認、OKです。
 

今回のモデルは「ギター用ペグ」を使用するので、写真のサイズがペグヘッドから飛び出さない位置を確認します。
新しいペグ穴は4㎜内側へ移動、前の2つは更に3㎜後ろへずらします。
念のため4つの弦の相互干渉もチェック、図のとおりOKです。

 

写真左) ヘッドの厚み「14㎜」を確認してから、ボール盤を使用して8㎜径の穴を開けます。当て木を忘れないように・・・・

写真左下) ペグヘッド裏側、ペグ位置もOKです。

写真下) ペグヘッド表側、トラスロッドカバー位置もOKです。