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《 プレクトラム バンジョー / 塗装前準備と塗装 》 

◆ ブリッジを作る

 

左側の加工前ブリッジのトップ材はスネークウッド、右側はエボニー。

高さは16.5㎜、底の厚みは6㎜、弦スロット間隔(spacing)は11.1㎜。

 

◆ 金属パーツ類の確認

  左から:
①テールピース
②アームレスト(vega type)
③ペグ・・・ギター用
 
①コーディネーションロッド(2本)
②ブラケット
③ブラケットシュー

◆ 塗装前の組立・・・これが最後です。

 

やや時間が空きましたが注文したテンションフープとトーンリングが届いたので改めて組み立て調整を行います。

周囲全体にわたり溝があるフープと真鍮製のトーンリング、リムとヘッドの間にセットすることでヘッド(皮)の固定が面から線になります。これにより振動性が向上し音量も豊かになるという理屈です。

 

 
 
トーンリングを新たに加えたことでネックの取り付け位置が3ミリ前後変わってしまいました。
ボール盤を使用し正確な位置に穴をあけます。以前の穴は既にメープル材で埋め戻してあります。
 

左) 全体写真(実際に使用するヘッドは写真と異なります)。
左下) ヒールエンドとリムの接する部分もしっかりしています。
下) 数㎜ほどずれた穴が確認できます。飛び出している金具はテールピースを固定するパーツ。

最後の写真2枚) 裏側の連結ロッド2本。ヒールエンドの接着痕が塗装でどこまで修正できるか・・・・

 
 

◆ 塗装・・・・・・木地調整

  まず、ペグヘッド補修時に気になった部分を改めてパテで補修しました。OKです。
ペグヘッドの表側はマスキングテープ等で養生します。
 

塗装前に#240、#320、#400でリムとネックを研磨し、目に見える傷痕や接着剤の残りかす等を取り除きます。

セルバインディング部分はスクレーパーできれいな表面にしてからマスキングテープで養生します。

◆ 塗装・・・・・・目止めと着色

 

今回は「目止め」と「着色」を別工程で行います。

「タルク粉」を 水でパテ状にしてから全体を刷毛塗りし、半乾燥後にウエスでふき取ります。
乾燥後改めて#400で研磨し表面部分のタルク粉を取り除き、着色塗料(水生)を定着し易くします。

 
 

次に水生塗料で着色しますが、濃い目に仕上げたいので2度塗りしました。
左の写真が1回目(*)、下の写真が2回目の着色です。

(*)リム内側は樹脂?で表面加工されているため、着色塗料が定着せず。

 

◆ 塗装・・・・・・サンディングシーラー

 

トップコーティングに備え、シーラーで塗膜を作ります。養生するのは指板表面、ナットそしてロッド窓です。
サンディングシーラーとラッカーシンナーを1対1で混ぜたものを塗っていきます。塗装インターバルは約45分~1時間、塗装回数は20回ほど行います。
写真は塗装完了後のもの、下の挿入写真を見ると例の接着痕跡も徐々に目立たなくなってきました。この状態で数日間乾燥させます。

 
  充分に乾燥したことを確認し、#320、#400、#600でシーラー塗膜の平面だしを行います。
力を入れず木肌が露出しないようにゆっくりと研磨していきます。特に#320は研磨力が強いので留意が必要。
接着痕跡もこうして見ると目立たなくなるのですが・・・・
 

◆ 塗装・・・・・・トップコーティング 

 

研磨された「シーラー塗膜」の上に1対1で混ぜたラッカーとシンナーで塗装、シーラー同様に回数は20回、インターバルは45分から60分程度です。

 

◆ 水砥ぎ

 

ペーパー#800、#1000、#1500でラッカー塗膜を研磨していきます。
その際ペーパーが目詰まりしないよう石鹸水に浸しながら作業し、ラッカー塗膜の研磨漏れがないようくまなく研磨することがポイント。ただし木肌の露出は不可、シーラーからやり直しです。

 
 

◆ ポリッシュとバフ掛け

 

最後に「コンパウンド」で研磨し、きれいなウエスで磨き上げ、同時に残り粕を力強くふき取っていきます。プロショップでは専用バフマシンで仕上げますが、手バフでも十分なポリッシュが可能です。

問題個所はほぼ許容範囲?
①やり直しを繰り返したペグヘッド表裏
②ネック貫通部分の痕跡
③ネックヒールの接着痕跡

 
 
  早速ポットの組立、やはり塗装されると雰囲気が一変、ヘッドは新規調達した透明感のあるもの、Goodな選択でした。
 

ネックとポットの接合、指板の汚れ除去とフレットエンドの整形等実施。

次はフレットの擦り合わせ、そして調弦・・