《ギター製作》

10.指板の製作

◆ 指板の厚み調整

厚みおよそ8ミリの黒檀(エボニー)、上辺の直線出しを行い、基準面とします。

罫書することでプラン通り収まることを再確認。

(左)
8ミリを計測
(左下)
「1ミリ」という厚さ調整なので、作業はサンディング、番手は#80。手作業の場合、両端が削り過ぎとなる傾向があるので注意要・・・
(下)
7ミリを計測、ちょっとした力作業でした。
大量のエボニーパウダー・・・
(1ミリ×面積=?)

◆ フレット溝加工

フレット溝を正確に罫書します。

専用マイターボックスを使用して正確に切っていきます。溝は深めに切ります。

◆ 指板の整形

指板の幅を加工、バンドソーでカットしてからヤスリで仕上げます。
サイドは表面に対して直角に・・・・

次に表面のアール加工

(左)
OOO-18の指板アールのチェック、フレット位置によって微妙に変化しています。
(左下)
アールとフレット位置関係
(下)
写真のヤスリ掛けを試みましたが全く無謀でした。

従って15インチアールの凹面ブロックにペーパーを貼り付けたものでサンディング・・

これは大成功、作業もはかどりました。

結果は写真のように14インチアールの表面になってしまいました。
ブロックは15インチではなく14インチのアールになってしまったようです。

トップ部分をサンディングし16インチアール~15インチアールに整形・・・

アール形状は下の写真の通りです。

ネックに指板を置いて見るとギターらしくなってきました。

◆ ポジションマーク埋め込み

ポジションマークは6.5ミリを6個、4.5ミリを2個埋めます。
罫書後、ボール盤を使用して穴を開けますが、深さの加減が必要なので少しずつ作業し、マークを置いて確かめながらの作業です。

若干隙間が生じたのでエポキシとエボニー粉末で接着、接着後、サンディングとポリッシュまで一気に実施・・・
サイドマーク埋め込み
罫書したのち、バイスに固定してから、ドレメルで穴をあけ、直径1ミリ強のプラスティック棒を軽く打ち込みます。
接着はアロンを使用します。

◆ フレット打ち込み

指板のアール対応としてカットしたフレットを予め曲げておきます。

今回、ボール盤を利用したフレット埋め込みに挑戦しましたが、設定が不十分だったせいか充分な埋め込みが出来ず断念・・・・

(下の画像)
1フレット目はハンマー打ち、2フレット目をボール盤で圧力をかけているところ・・・

結局、写真の打ち込みブロック(アール350ミリ/14インチ)を使用し20本のフレットを打ち込みました。
左下写真は、使用した道具類、最後は余分なフレット端のカットしている画像です。

 

フレット端のバリ取りと断面処理を行います。

下の画像、アールを施したエボニー指板、いい感じですね。