《ギター製作》

13.塗装

◆ 木地(素地)調整と養生マスキング

木地調整は表面の細かな傷をサンディングで除去していく作業、使用するヤスリは:
#180⇒#240⇒#320⇒#400

マスキング箇所は:
①指板表面とサイド、ナット
②ペグヘッド表面
③ヒールキャップ
④エンドフラッシュ
⑤サウンドホール

◆ 捨て塗り(下塗り)

捨て塗りはクリヤラッカーを4倍のシンナーで薄めたものです。

一晩乾燥させると表面がけば立って来るので、それを#600でサンディングします。
これにより着色がより安定するといいます。

◆ 目止め着色

目止めの対象はマホガニーのネックとローズウッドのサイド、バックボードです。
従って
スプルースのトップボードをマスキングします。

(左、左下)
目止め着色は「タルク」+「茶系の油絵具」+「ペイントシンナー」でジェル状の塗料をつくります。

(下)
木目に対し直角を基本に擦り込んでいきます。

1回目の擦り込みが終わって生渇き状態

生渇きの状態で更に布で擦り込んでいきます。

 

この作業を2~3回繰り返し、乾燥してから拭き取ります。

◆ トップボード着色

(左)
バインディングとパーフリング(プラスティック部分)をマスキングします。
(左下と下)
オーク系の水生塗料で着色、どんな感じになるのか・・・・

オーク系の色合いが気に入らず塗り直し、変わったサンバースト風に・・・

乾燥後、スクレーパーで主にバインディング、パーフリング部分の塗料を除去します。

ネックとボディの接合部、指板とボディの接合部なども余分なボンドその他の不要なものを取り除き、中塗りに備えます。

注)赤丸はマホガニーペーストで補修、黄色丸は「欠けた箇所」、補修すべきか?

◆ 中塗り(サンディングシーラー)

シーラーとシンナーの割合は1対1、刷毛は75ミリ幅を使用します。

15回程度塗装します。

【塗装手順】
ネックを左手で掴み、ペグヘッドを椅子の上に固定してからボディトップ、バックそしてサイドを刷毛塗りします。
次にネックを掴みながらペグヘッドを塗り、ギターをフックに吊ってからネックを塗ります。

【塗装手順の試行錯誤】
ギターの固定方法に試行錯誤、写真のようにペグヘッドをまたぐらに挟み、左手で支えるとギターがとても安定します。
特に面積の広いトップとバックの塗装時にはこれが一番、刷毛を使いやすいし、左手も疲れないし・・・

◆ 塗膜作り(上塗りの下地を作る)

サンディングシーラー塗装後、数日間乾燥(今回は4日間)させてから、上塗りのための下地(塗膜)を作ります。

(左)
#320でサンディング開始
(左下)
#320と#400で研磨、表面の凹凸を確認、まだ不十分
(下)
#400と#600で研磨、もう少しかも・・・
(左)
#320でスタート
(左下)
#400で研磨中ですが、中央部分は木地調整の失敗?で小さな凹みが結構あります。研磨し過ぎると塗膜がなくなってしまうのであるところで妥協しなくてなりません。
(下)
サンディング終了
今回使用したペーパーとブロック。
#600はすぐに目が詰まってしまうので使用枚数が多くなります。
ブロックもゴムパッド、フェルトパッドを使い分けします。

◆ 上塗り(トップコート)

クリヤラッカーとシンナーの割合は1対1、中塗りと同じ手順で塗っていきます。
【小さなトラブル】
1回目の上塗りでペグヘッドにラッカーがのらず、塗りむら発生。
これはシーラー塗装の不具合で時たま発生、もう一度中塗りとサンディングを実施することで解決。

塗装と塗装の愛仇のインターバルは1時間半程度、充分に乾燥していないと刷毛の動きが重くなるのでその時は間隔を多くとります。

注)ギターで消費するラッカー量はウクレレとは比較になりません。
ホームセンター入手の300ccでは量的に厳しいものがあり、ラッカーについては次回の検討課題です。

◆ 水砥ぎ (Wet Sanding)

ペーパーは「#800⇒#1000⇒#1500」を使用、潤滑剤として右下にある石鹸水を使用します。
原則として塗膜の凹凸が無くなるまでサンディングします。
水砥ぎが終わりました。

◆ ポリッシュ (ハンドバフ仕上げ)

コンパウンドで磨いた後、ウエスで残ったコンパウンドを拭き取り、更に磨き上げます。バフマシンが無いためハンドバフです。

最後に指板を保護していたマスキングを剥がします。剥がす前に指板角のラッカーをヤスリでコスリ取り、側面塗膜が剥がれないようにしておきます。

指板にはマスキングテープやラッカーが入り込んで汚れているのでもう一度コンパウンドで磨きます。